統合失調症と薬物治療:統合失調症に抗精神病薬が必要な理由

向精神薬とは精神に作用する薬全体をいう。

精神安定剤(トランキライザー)

精神安定剤は向精神薬のうち、精神状態を安定させる性質を持つ薬物の総称。トランキライザーと呼ばれる。

抗精神病薬であるメジャートランキライザー(もしくは強力精神安定剤と呼ぶ)と、抗不安薬と呼ばれるマイナートランキライザーに分類されるが、日本で一般に精神安定剤というと、後者を意味する場合が多い。

これらの薬は脳に直接作用する特徴をもつ。医師の処方せん無しでは入手できない。また、薬事法及び麻薬及び向精神薬取締法により厳しく規制されている。 また、これらの薬は乱用すれば麻薬と同様、強い依存や正常な脳に非可逆的なダメージを与えることになる。

メジャートランキライザー(強力な精神安定剤・抗精神病薬)

これらは直接脳の中枢に働き、主に脳のドーパミン2受容体やセロトニン受容体というものを遮断し、ドーパミンの分泌を抑えることにより、脳の状態を安定させるもの。

幻覚や妄想、また、マイナートランキライザーでは取り除けないような極度の不安、焦燥感を取り除くことができる。(抗ドパミン作用には吐き気を止める効果もある)

また、強い催眠作用を持つ物もあり、睡眠安定剤(睡眠薬)として使用可能なものも存在する。

注意すべき点は、作用が強力な分、副作用も強力であること。 効能は主に統合失調症(幻覚・妄想)や、神経症、うつ病による不安、緊張状態の緩和である。 代表的な副作用としては、眠気、注意力の低下、めまい、ふらつき、依存などである。

また、重大な副作用として極稀ではあるが脳のドーパミンの分泌を止めてしまうので、パーキンソン病用症状や悪性症候群を起こすことがある。 メジャートランキライザーと呼ばれる物には、定型抗精神病薬と呼ばれる物と、非定型抗精神病薬と呼ばれる物が存在する。こちらは後者のほうが新しく、副作用も少ない。

抗精神病薬の働き

神経終末から神経伝達物質が放出され隣の受容体に受容されると情報が伝達される。

統合失調症のシナプス間隙ではドパミンが過剰になり、ドパミン受容体にくっつくドパミンも増える。

聞こえないはずの声が聞こえたり、気にしなくて好いことを気にしたり統合失調症の症状が出る。

ドパミン自体を減らすことは出来ないが、ドパミンの受容体をブロックする薬を使って、ほどよくドパミン神経系の情報を伝えることが出来るようになる。

マイナートランキライザー(緩和な精神安定剤・抗不安薬・睡眠安定剤)

主に、脳に直接働きかけ、脳のリラックス系の神経を増強させることにより、不安を和らげたり、気分を落ち着ける緩和な精神安定剤である。抗不安薬とも呼ばれる。主にベンゾジアゼピン類などがある。

作用も副作用も穏やかで、その効き目の持続時間や強さにより、いろいろな種類が使い分けられる。また、効能も至って広域で、内科や産婦人科でも処方されることがある。(例えばチエノジアゼピン系であるデパスなどは肩こりなどにも効くので内科でも処方される)睡眠剤としても使用できる。

主な副作用としては眠気や注意力の低下などが上げられるが、大量服用などを行うと、精神依存に陥る可能性がある。また、重大な副作用も極めて少なく、安全である。

症状が消えたら薬を止めてもいいのか?

抗精神病薬を止めると統合失調症の再発率が5倍になり、1年間で78%2年間で98%が再発する。

また再発期間が長いほど脳が萎縮し、再発する度に6人に1人が症状がとりきれず症状が残るようになる。

統合失調症は抗精神病薬を続けた方が死亡リスクが低い。

統合失調症の症状を消すのに薬が重要だし症状が消えてからも薬の継続が必要。